介護施設の虐待対策は防犯・監視カメラで防ぐ!注意点や導入事例も紹介

介護施設の管理者やご家族の中には、高齢者虐待のリスクを減らすためにどのような対策を講じるべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
とくに、介護現場では職員のストレスや業務過多が原因で不適切なケアが発生するリスクがあります。
万が一、虐待が疑われた場合には、客観的な証拠も必要でしょう。
そこで注目されているのが、防犯・監視カメラを活用した虐待防止対策です。
カメラを適切に設置すれば、不適切なケアの抑止や職員の負担軽減、万が一のトラブル時に対応できます。
この記事はこんな人におすすめ
- 介護施設を経営している方
- 家族が介護施設を利用している方
- 高齢者の虐待について対策方法を知りたい方
高齢者虐待を防ぎ、安心・安全な介護環境を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも高齢者虐待とは?定義と実態
高齢者虐待とは、高齢者に対する身体的・精神的・経済的な不適切な扱いを指し、法律でも厳しく規定されています。
ここでは、高齢者虐待の定義と、その実態について詳しく見ていきましょう。
ここで紹介すること
- 高齢者虐待の法的な定義
- 高齢者虐待の主な種類
- 近年の虐待事例と実態データ
それぞれ順番に解説します。
高齢者虐待防止法とは

高齢者虐待防止法は、高齢者への虐待を防ぎ、保護するための措置を定めた法律で、2006年に制定されました。
この法律では、国や自治体の責務、養護者への支援、医療・福祉従事者の早期発見義務などが規定されています。
法律では、高齢者は65歳以上と定められ、虐待は「養護者によるもの」と「介護施設従事者によるもの」です。
養護者とは、家族や親族などの介護者を指し、介護施設従事者には、老人福祉施設や介護施設、居宅サービス事業者などの職員が含まれます。
出典:法令検索e-Gov「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」また、法律に規定されていない施設での虐待も、養護者による虐待として対応が求められています。
高齢者虐待の現状とデータ
高齢者虐待は年々増加しており、介護施設では対策が求められています。
高齢者虐待の現状とデータは以下のとおりです。
令和3年度 | 令和4年度 | |
---|---|---|
虐待判断件数 (養介護施設従事者) |
739件 | 856件 |
相談・通報件数 (養介護施設従事者) |
2,390件 | 2,795件 |
虐待判断件数 (養護者) |
16,426件 | 16,669件 |
相談・通報件数 (養護者) |
36,378件 | 38,291件 |
虐待の種類
高齢者虐待防止法の対象となる主な内容は下表のとおりで、監視カメラで抑止可能です。
虐待の種類 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
身体的虐待 | 高齢者に対する暴力行為や不適切な身体的拘束 | 殴る・蹴る・縛る・突き飛ばす |
心理的虐待 | 高齢者に対する精神的な嫌がらせや威圧 | 無視する・暴言を吐く・脅す |
経済的虐待 | 高齢者の財産を不当に管理する | 年金の搾取・不動産の勝手な売却 |
介護放棄(ネグレクト) | 必要な介護を行わない | 食事を与えない・病院に連れて行かない トイレ、お風呂に入れない |
性的虐待 | 高齢者に対する不適切な性的行為 | 体を触る・わいせつな言動をする |
虐待を防ぐためには、周囲の人々が早期に気付き、適切な対処を行う必要があります。
虐待に対しては、監視カメラを設置して、未然に予防が可能です。また、監視カメラがつけられないお風呂やトイレでも音声だけを記録するマイクをつける工夫ができます。
介護施設の虐待対策にカメラを導入したいと検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。
介護施設高齢者虐待が発生する3つの理由
介護施設における高齢者虐待は、さまざまな要因が絡み合って発生するため、理由を正しく把握するのが重要です。
ここでは高齢者虐待が発生する理由について、以下3つを解説します。
ここで紹介すること
- 介護職員のストレス・過重労働
- 施設の教育・研修不足
- 家族の介護疲労
それぞれ確認しましょう。
介護職員のストレス・過重労働

介護施設で高齢者虐待が発生する理由として、介護職員のストレスや過重労働があげられます。
介護の現場では、長時間労働や人手不足が常態化しており、職員の心理的・身体的な負担が蓄積されやすくなっているためです。
たとえば、人員不足により、1人の職員が担当する高齢者の数が増えると、十分なケアができなくなり、イライラや焦りが募ります。また、夜勤が続くことで睡眠不足になり、感情のコントロールも難しくなるでしょう。
介護職員の負担が増えると、結果として高齢者の虐待につながるため、適切な休息をとれるようなシフト管理を行う必要があります。
施設の教育・研修不足

高齢者虐待の原因には、介護施設における教育・研修の不足があります。
新任職員への指導が不十分だと、適切なケア方法がわからず、結果的に不適切な対応が増えるからです。
たとえば、高齢者の言動に対する知識が不足していると、職員がストレスを感じやすく、虐待につながる可能性があります。
定期的な研修を行い、介護技術や倫理観を職員に徹底すれば、虐待の予防につながるでしょう。
家族の介護疲労
介護施設だけではなく、家庭での介護負担が大きくなることでも、高齢者への虐待が発生します。
具体的には以下のとおりです。
- 認知症が進行して適切なコミュニケーションが取れなくなる
- 介護にかかる時間が増える
- 経済的負担が重くなる
終わりの見えない介護による家族の疲労が蓄積し、高齢者への虐待につながります。
家庭で介護を行う場合、家族が抱えこまないようには、介護サービスや相談窓口を利用するのが重要です。
高齢者虐待防止のためマニュアルが設定されている
厚生労働省では、高齢者虐待防止のため、マニュアルを設定しています。
マニュアルでは、以下のような内容が記載されているため、各施設に落とし込むのが重要です。
- 高齢者虐待の定義
- 虐待の種類
- 虐待の具体例
- 虐待の具体例
介護施設では、マニュアルをもとにルールを作成し、適切に対応しましょう。
介護施設・家庭における虐待防止の具体策
介護施設や家庭で高齢者の介護を行う場合、虐待に発展しないように事前に具体策を把握しておく必要があります。
ここでは、虐待防止の具体策について以下3つを解説するので参考にしてみてください。
- 1. 職員の研修・教育の徹底
- 適切な研修を受けることで、認知症などの症状への理解が深まり、冷静な対応が可能になります。
知識不足による感情的な対応を防ぎ、虐待のリスクを下げる効果があります。 - 2. ストレスマネジメントと職場環境の改善
- 介護職員のストレスが蓄積すると虐待のリスクが高まります。定期的なカウンセリングや適正な人員配置により、負担を軽減し、働きやすい環境を整えることが重要です。
- 3. 家族・地域社会の支援を活用
- 家庭内の介護負担が大きいと虐待のリスクが高まるため、自治体の介護相談や支援サービスを活用しましょう。地域の見守り活動や支援団体と連携することで、早期発見・予防につながります。
虐待を防ぐためには、職員の教育やストレス管理、地域の支援を活用し、無理のない介護環境を整えることが大切です。
介護施設の虐待対策に防犯・監視カメラの導入がおすすめ
介護施設の虐待対策には、防犯カメラや監視カメラの導入がおすすめです。
ここでは、カメラがおすすめな理由について以下2つを解説します。
ここで紹介すること
- 老人ホーム・介護施設で監視カメラを設置する理由
- 監視カメラが虐待防止のカギに
介護施設の虐待対策に防犯・監視カメラを導入すべきか検討している方は、参考にしてみてください。
老人ホーム・介護施設で監視カメラを設置する理由

老人ホームや介護施設に監視カメラを設置する理由は、虐待対策以外にもあります。
スタッフ不足による業務管理補助、入居者からのセクハラ・パワハラ対策、従業員管理などです。
日々の業務に監視カメラを追加すると問題が起きたときに原因をすぐに突き止め、改善させる手段となる他、入居者の家族が入居できる安心材料となりえます。
子供への虐待もそうですが、これからの高齢化社会の日本では、老人に対する虐待がクローズアップされるでしょう。
被害者にも加害者にもならないようにする措置が求められます。
監視カメラ導入で安心できる施設環境へ
高齢者虐待を防ぐためには、監視カメラを適切に設置することが有効です。カメラの導入により、施設内の状況を記録し、虐待の抑止や早期発見につなげられます。
施設に監視カメラを導入する際のポイントは以下のとおりです。
- 職員や利用者のプライバシーに配慮した設置計画を立てる
- トラブル時の証拠として映像を活用できるよう、適切に管理する
- レンタルカメラの活用により、初期コストを抑えながら導入する
監視カメラの設置には、施設で働くスタッフや、利用者の家族からの理解が必要です。適切な運用ルールを決めることで、効果的な虐待防止策となります。
カメラを設置する場合は、専門業者に任せるとスムーズです。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
介護施設に監視カメラを導入する際の注意点
介護施設で監視カメラを導入する際には、適切な運用を行うための注意点があります。
事前に以下のポイントを押さえておきましょう。
ここで紹介すること
- 施設利用者向けに監視カメラの同意書を作成しておく
- 監視カメラ導入に使える補助金があるか確認する
- プライバシーに配慮する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
施設利用者向けに監視カメラの同意書を作成しておく
介護施設で監視カメラを導入する際、施設利用者やその家族の同意を得ましょう。
カメラの設置によってプライバシーの問題が生じるためです。
トラブルを防ぐため、事前に「監視カメラ設置に関する同意書」を作成し、利用者や家族に説明しましょう。
具体的には、以下のような内容を盛り込んで、施設利用者に説明をするとトラブルを防ぎやすいです。
- 監視カメラを設置する目的(虐待防止・安全確保など)
- 録画データの管理方法と閲覧権限
- 設置場所と撮影範囲
- データの保存期間
施設利用者や家族に納得してもらうためには、監視カメラのメリットや運用ルールを説明することが大切です。
事前に説明を行い、信頼関係を築くことで、トラブルを防げます。
監視カメラ導入に使える補助金があるか確認する

介護施設で監視カメラを導入する際には、自治体や国が提供する補助金制度を活用できる場合があります。
申請には条件があり、導入目的や設置計画の提出を求められる可能性があるため、事前に自治体の公式サイトや関係機関へ確認しましょう。
補助金を活用できれば、監視カメラの導入コストを抑えながら、安全対策を強化できます。
プライバシーに配慮する
介護施設で監視カメラを導入する際は、利用者や職員のプライバシーに配慮しましょう。
適切な運用を行わないと、個人情報の侵害や信頼関係の悪化につながる可能性があります。
プライバシーを守るために、以下の点に注意しましょう。
- 設置場所を慎重に選ぶ:トイレや浴室など、プライバシー性の高い場所には設置しない
- 録画データの管理を徹底する:映像の閲覧権限を限定し、不正利用を防ぐ
- 職員や利用者に事前説明を行う:監視カメラの目的や設置理由を明確にし、不安を解消する
施設利用者や職員が安心して過ごせるよう、監視カメラの目的を明確にし、適切な運用ルールを策定することが重要です。
カメラを設置する際は、注意点も多いため、専門業者に任せることをおすすめします。
適切な場所や注意点を把握したうえで、カメラを導入できるため、ぜひご相談ください。
介護現場の安心を守る!虐待防止に役立つ監視カメラ
介護施設での虐待対策に使いやすい監視カメラを紹介します。
マイク搭載の監視カメラ
介護施設における虐待防止や利用者の安全確保には、マイク搭載の監視カメラが効果的です。通常の映像監視に加えて音声も記録できるため、 より客観的な証拠として活用できます。
マイク搭載カメラのメリット
- 言葉による虐待や威圧的な言動を記録できる
- トラブル発生時の状況を正確に把握できる
- 映像だけでは判断しにくい異変(うめき声や助けを求める声など)を検知できる
とくに、職員の不適切な対応や利用者同士のトラブルを未然に防げるため、音声記録は有力な証拠になります。
マイクが搭載 500万画素監視カメラ TR-IP9510
実際の音声記録の実証動画も公開中
防犯カメラのマイク性能について気になる方のために、社内で音声の聞き取りテストを実施しました。ある程度の距離が離れていても、音声がしっかりと記録されることを確認できました。
音声記録の精度を重視される方にとって、有益な情報となるかと思います。ぜひ、ご参考ください。
別途設置の集音マイク
介護施設での監視体制を強化する際におすすめなのが別途設置の集音マイクです。監視カメラの映像に加えて音声を録音することで、より詳細に状況把握できます。
集音マイクの主なメリットは以下の通りです。
集音マイクのメリット
- 高感度マイクで小さな声や異常音も拾える
- 言葉による虐待や不適切な発言を記録できる
- カメラの設置位置に影響されない
とくに、高齢者の「助けて」や「痛い」といった小さな声を記録できるため、職員による虐待の早期発見に役立ちます。また、物音や衝撃音を検知することで、転倒事故の可能性を察知できるのもメリットです。
カメラの設置位置や音声の記録範囲も、環境に応じて柔軟に対応可能です。施設のニーズに合わせた最適なプランをご提案いたしますので、ぜひご相談ください。
離れていても安心!家族におすすめの介護施設向け見守りカメラ
家族が介護施設を利用している場合は、小型で工事の必要がない「見守りカメラ」がおすすめです。
コンセントに挿すだけで利用でき、場所の移動もしやすいため、導入しやすいカメラといえます。
見守るだけでなく、会話もできるため、離れていても安心してコミュニケーションが取れます。
見守りカメラのメリット
- 工事不要・コンセントを挿すだけ
- 会話ができ、離れていても安心
- 遠隔から施設の様子をスマホでチェック
導入する際は、施設の許可が必要ですが、スマホで遠隔から様子を確認できるため、大切な人の安全を見守る心強いツールになります。
施設を利用する家族の様子が気になる場合は、見守りカメラの導入を検討してみてください。
介護施設・老人ホームでの監視カメラ設置事例3つ
トリニティーが運営する防犯カメラセンターグループでは、介護施設・老人ホームでの監視カメラ導入実績が豊富にあります。
ここで紹介する事例は、以下の3つです。
紹介する事例
- 埼玉県さいたま市のサービス付き高齢者向け住宅
- 神奈川県座間市の老人ホーム
- 東京都昭島市の介護施設
導入を検討する際の参考にしてみてください。
埼玉県さいたま市のサービス付き高齢者向け住宅

さいたま市のサービス付き高齢者向け住宅に防犯カメラの設置をしました。
お問い合わせから設置までの期間は、1週間程度です。
介護スタッフの方が利用者の様子を確認できるように、受付にモニターを設置しています。
死角になりやすい場所が防犯カメラでカバーされ、業務がスムーズになったとの感想をいただいています。
神奈川県座間市の老人ホーム

座間市で新しくオープンする老人ホームに監視カメラを設置しました。
導入目的は以下のとおりです。
- 利用者の無断外出を防止したい
- 施設内の死角を埋めたい
介護施設のお悩みで多い、利用者の無断外出と、施設内のどこにいるかわからなくなる問題を解決するために防犯カメラを設置しました。
東京都昭島市の介護施設

昭島市の介護施設で防犯カメラをリニューアルしました。
今回導入した介護施設はオープンから15年が経過して、防犯カメラが壊れてきたためご依頼をいただきました。
当初予定した予算よりも導入費用を抑えられたとの感想をいただいております。
虐待対策の監視カメラは導入実績がある専門業者に依頼しよう
介護施設での虐待防止のために防犯・監視カメラを導入する際は、実績のある専門業者に依頼するのがおすすめです。
適切な設置・運用がされなければ、プライバシーの侵害や証拠映像の管理ミスなどの問題が発生してしまいます。
防犯カメラセンターを運営するトリニティーでは、施設の要望を伺いながら、適切なカメラ設置のご提案が可能です。
高齢者の虐待対策に、監視カメラを設置したいと考えている方は、まずはお気軽にお問合せください。
現地調査は無料で実施しています。