街頭防犯カメラの犯罪抑止効果について
近年、全国の自治体で公共空間への防犯カメラ設置が進んでいます。
一度に数十台設置する大規模な事業から、数台ずつ徐々に設置する事業まで、規模はさまざまです。
街頭防犯カメラの導入に補助金が整備されるケースも増えてきて、街頭防犯カメラの導入を現実的に検討されている地域団体のみなさまからのお問い合わせをいただく機会が増えてきている背景を受けて、このページでは、防犯カメラを取付けることにどれだけ効果があるのか、公表される調査報告書をもとにまとめました。
街頭防犯カメラには、犯罪操作への協力、犯罪抑止効果といなどいくつかの役割がありますが、ここでは犯罪抑止効果に着目してご紹介しています。
あくまで1つの考え方であり、また、ざっくりとした概要となっています。ご検討される際のイメージづくりとしてご参照いただけたらと思います。
犯罪抑止効果について
犯罪抑止効果とは、文字通り犯人の犯行をとどまらせる効果です。
防犯カメラは取り付けることで監視の目として働き、犯罪抑止効果が期待できるセキュリティツールといわれています。
防犯カメラに期待されている効果には、捜査支援や犯罪抑止効果があります。
犯罪捜査支援については、犯行現場を撮影した防犯カメラに関する各種報道(※1)から実績を感じ取ることができますが、犯罪抑止効果については、(そもそも事件が起こらないようにしているのですから)一般の私たちが効果を把握するのは難しいでしょう。
ただ、プライバシー権や肖像権などを侵害するという理由から導入に反対を唱える声もある防犯カメラが、今後どのように活用されていくべきなのか、防犯カメラのメリットとデメリットを比較検討するうえで犯罪抑止効果は大きな判断基準となります。
(※1)例えば、平成18年に川崎市で自動を投げ落とした容疑者は、マンション敷地内の防犯カメラ映像を警察が公開したことを受け出頭しています
防犯カメラの犯罪抑止効果全体としてもいくつかの実証例が報告されていますが、特に、窃盗系犯罪や駐車場での犯罪において相対的に高い犯罪抑止効果が期待できるとの報告が多い印象です(※2)。
(※2)参照例「駐車場に設置する防犯カメラ等の効果および利用者等の態度」
街頭防犯カメラの設置動向
警察が管理する街頭での防犯カメラ台数は増加しており、
街頭防犯カメラを導入する都道府県、各都道府県における防犯カメラ導入台数、ともに右肩上がりです。
街頭防犯カメラの映像を犯罪捜査に役立てることは珍しくなく、警察捜査に欠かせないものになったといっても過言ではありません。
犯罪捜査に役立てられる街頭防犯カメラですが、導入背景には、人口の流動化や過疎化、高齢化を起因とした地域の治安維持悪化という現状があります。
かつては地域住民がお互いに目配せをしたり、地域全体で子どもを見守ることで自治体内の安全・安心が確保されてい増したが、現在はそうした人の目による監視が不足してきたため、防犯カメラが代用しているという側面があります。
犯罪抑止効果の高い街頭防犯カメラの設置とは
街頭防犯カメラの導入する際に犯罪抑止効果を高めるにはどうしたらいいのか、「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」「防犯カメラらの設置による窃盗犯罪の抑止効果について」を参考にまとめます。
国内における街頭防犯カメラの実証研究や導入後の効果測定は、まだまだ件数が不足しているという状況であり、ご紹介する方法には懐疑的な意見も存在しますが、これまで防犯カメラを専門に取り扱ってきた会社の肌感覚としてはずれていない結論だと思っています。
安心・安全に生活できる地域づくりのために、街頭防犯カメラ導入時にはぜひ参考にしていただけたらと思います。
犯罪抑止力を高める街頭防犯カメラの設置:
設置目的と設置場所について
「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」では、A地点では『繁華街での犯罪抑止対策を目的に』、B地点では『通学路を中心に「子ども見守りカメラ」を目的に』街頭防犯カメラを設置したエリアを比較検討しながら街頭防犯カメラの犯罪抑止力その他効果や影響力を考察しています。
まず、防犯カメラを取付けた場所については、
『犯罪抑止を目的にしたA地点では犯罪発生件数の多い場所に防犯カメラが取付けられ』、
『子どもの見守りを目的にしたB地点では犯罪が発生した記録とは関係なく通学路上へ防犯カメラが取り付けられる』という違い田見られました。
そして、A地点での犯罪発生件数は下がり、B地点でははっきりとした犯罪発生件数減少傾向はみられず、逆に増加傾向ともとれる結果が得られました。
「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」では、この結果から、犯罪抑止効果を目的とした場合には犯罪発生する(orしやすい)スポットへ防犯カメラを配置することで犯罪発生件数が抑えられた(犯罪抑止効果が発揮された)、一方で、子どもの見守りを目的にした場合には犯罪が発生しない(orしにくい)スポットへ防犯カメラを取付け、これは、犯罪発生件数を下げることにはつながらなかった(犯罪抑止効果は発揮されたなかった)、と結論付けています。
上記を参照すると、犯罪抑止効果を高めるためには、犯罪発生率の高い場所へ防犯カメラを取付けることが有用だといえます。
犯罪抑止力を高める街頭防犯カメラの設置:
主体的に動くのはだれか?(補助金あり・なし)
「防犯カメラらの設置による窃盗犯罪の抑止効果について」では、防犯カメラ設置時に行政による補助がなされる場合より、そうでないケースの方が防犯カメラ導入後の犯罪発生件数が減少すると報告されており、これは、自治体等の地域団体が直接防犯カメラを設置する方が、地域団体がより一体的・計画的に配置するためだと結論付けられています。
上記を参照すると、犯罪抑止効果を高めて街頭防犯カメラを導入するには、外部の人間が配置場所を決めて取付けるよりも、地域住民が主体的に動き、地元警察や地域団体が一体となり過去から現在・未来に向けて計画的に防犯カメラを取付ける方が犯罪抑止効果の高い施工が可能になる傾向があるといえます。
犯罪抑止力を高める街頭防犯カメラの設置:
影響がある犯罪の種類
「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証」では、街頭防犯カメラを設置することで犯罪発生件数に影響があった犯罪とそうでない犯罪があり、具体的には、粗暴犯への犯罪発生件数減少は確認されなかった反面、ひったくりや自転車盗の犯罪は減少していると報告されています。
また、「駐車場に設置する防犯カメラ等の効果および利用者等の態度」では駐車場での犯罪も防犯カメラを取付けることで減少していることが確認できていると伝えられています。
上記を参照すると、防犯カメラの犯罪抑止効果は、粗暴犯よりもひったくりや車上荒らしといった犯罪へ優位に発揮されると考えられます。
犯罪抑止力を高める街頭防犯カメラの設置:
周囲への影響について
街頭防犯カメラは、導入したエリアへの犯罪を減少させることに成功しても、その分周囲で犯罪が増加することがあります。
これは、防犯カメラをみて犯罪をあきらめた犯人が他のエリアで犯行に及ぶことで生じる現象で、犯罪の地理的転移と呼ばれています(スポット的に犯罪抑止効果が働いたものの周辺エリアでの犯罪発生件数が高まる)。
一方で、あるエリアに防犯カメラが導入されることで周辺の防犯環境も強化されていると受け取らせることで、犯人がエリア一帯での犯行をあきらめるケースもあり、利益の拡散と呼ばれています(エリア全体に犯罪抑止効果が働く、もしくは、犯人に犯行をあきらめさせることができる)。
「防犯カメラらの設置による窃盗犯罪の抑止効果について」では、住宅関連窃盗は街頭防犯カメラを導入することでスポット的には犯罪抑止効果が働いて犯罪発生件数が減少するものの周辺エリアでは犯罪件数が上昇する、一方で、路上窃盗や自動車関連窃盗においては防犯カメラ導入エリアだけではなくその周辺エリアでも犯罪抑止効果が発揮されたと報告しています。
上記を参照すると、ひったくりや車上荒らしに対しては一定数の街頭防犯カメラで広範囲に犯罪抑止効果を発揮でき、住宅関連窃盗(空き巣)に対しては個々人での防犯対策が必要だといえます。
街頭防犯カメラの犯罪抑止効果:まとめ
街頭防犯カメラの犯罪抑止効果について、公開されているいくつかの調査報告書をもとにまとめました。
街頭防犯カメラの犯罪抑止効果を高めるには、犯罪発生率の高いスポットに導入すること、住民が一体となって配置場所を計画すること、また、ひったくりや車上荒らしなど窃盗系の犯罪には街頭防犯カメラは犯罪抑止効果を発揮する一方で、粗暴犯に対しては目に見えた犯罪抑止効果を発揮していないことをご紹介しました。
ここでご紹介した内容は、あくまで1つの意見・捉え方であり、必ずしも確かな正解であるとは言えません。
地域のみなさまが快適に生活できる安全・安心なまちづくりのためのひとつの考え方としてご参照いただけたらと思います。
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